劇場版「進撃の巨人」完結編 THE LAST ATTACK 公式サイト

SPECIAL スペシャル

復活上映キャストインタビュー

梶裕貴(エレン・イェーガー役)

多くのファンが作品を愛して引きずっているからこその再上映かと思いますが、そんなファンに向けてどう感じていますか?

みんなの気持ちは、ひとつ!ありがとう、終わる終わる詐欺!いいぞ、もっとやれ!(笑)

アニメ最終回の放映から約2年が経ちます。エレンの、そして『進撃の巨人』という物語のラストシーンについて、捉え方や感じ方が変わった部分などはありますか?

ありません。あの時に感じたものが全てだと思っています。

『進撃の巨人』は世界的人気作品となりました。海外ファンからの反応が届いているかと思いますが、どのように受け取られていますか?

感謝の気持ちでいっぱいです。作品の持つ力をマンガ・アニメの持つ力を強く強く感じています。日本が誇る素晴らしいコンテンツだと思っていますし、今やエンタメという枠すら超え、世界の共通語となってきていると言っても過言ではないのではないでしょうか。壁や海といった「境界線から生まれてしまった隔たり」が、本作のドラマの軸。にも関わらず、作品に触れた人たちの間に仲間意識や共感が生まれ、むしろ積極的な交流を行う機会に繋がっているというのが、なんとも不思議で素敵なところだなと。だからこそ、担当キャラクターを演じる上での責任感はしっかりと持っていなくてはならないなと、心から感じていますね。

梶さんは『進撃の巨人』を次世代に引き継いでいってほしいということを語られていますが、まだ作品を知らない層にアピールをするならば、どんな部分を魅力としてアピールしたいですか?

この世界は残酷だ。そして、とても美しい。

石川由依(ミカサ・アッカーマン役)

石川さんにとって、物語を生き抜いたミカサという女性はどんな存在として映っているのか改めて教えてください。

悩み苦しみながらも、大切な人のために必死に戦い生き抜いたミカサは、私にとって、一番近くで人生を見守ってきた友であり、娘のように愛おしい存在です。戦いを終えた今は、「よく頑張ったね」と抱きしめてあげたいです。

エレンの首を斬り、物語を終わらせるというミカサをアフレコで演じることについて、当時を振りかえってみてどのような印象ですか?また、放送から約2年が経過したことで感じ方は変化しましたか?

ずっと帰ってきてほしいと願っていたエレンの人生を、自分の手で終わらせなければならないーーーその時のミカサの気持ちを思うと、今でも泣きそうになります。それに加えて、私がこのシーンを演じてしまえば、エレンが死んで物語が終わってしまうということがとても苦しく、アフレコでは自然と涙が溢れ止まらなくなってしまいました。今までたくさんのキャラクターを演じさせていただいてきましたが、ここまで感情移入してしまったのは、長年共に歩んできたミカサというキャラクターだったからだと思います。

私にとって「進撃の巨人」は、声優人生と共にあったものでした。当時はそんな作品が終わりを迎えることに寂しさを感じていましたが、少し時間が経った今は、壮大な物語の完結を見届けることができたこと、自分が最後まで演じきることができたことは、本当に幸せなことだったなと感じています。

ミカサのその後の人生について多くのファンのあいだでも考察が飛び交い続けています。石川さんはそういったファンの反応をどのように捉えていますか?

ミカサのその後の人生に関しては、私も想像することしかできませんが、アニメで描かれた描写に関して、諫山先生に問いただしたい気持ちもあります(笑)きっと皆さんも、「これってもしかして…」と思うところがあるかもしれませんが、大切な人を失った彼女が、優しく穏やかな時間を過ごせた未来であったことを願って、そっとしておいてあげてください。

ここまで作品を愛し続けてくれているファンに向けて、メッセージをお願いします。

冗談で「最後最後詐欺だ!」なんて言ってきましたが、本心では“本当の最後”が来ないことを願っているので、再上映が決定し、また皆さんにご覧いただけることが嬉しいです。皆さんが熱く応援し続けてくださっているからこその復活だと思うので、感謝の気持ちでいっぱいです。本当にいつもありがとうございます。物語は完結しましたが、これからも色々な形でまたどこかで出会えますように。劇場版『進撃の巨人』の再上映、どうぞお楽しみください!

井上麻里奈(アルミン・アルレルト役)

今もなお、『進撃の巨人』というコンテンツを愛してやまないファンのかたにまずはメッセージをお願いします。

まさかまたこうして劇場で観て頂ける日が来るとは思っていなかったので純粋に嬉しいです。
やはり大きな画面でこそ観て頂くに相応しい作品だと断言出来るので、もしまだ劇場でご覧になっていないという方がいらっしゃったら是非この機会に体感して欲しいです。

最終章でのエレンとアルミンが本音で対話するシーンは、作中でも屈指の名場面として語り継がれています。同場面についての印象を改めて聞かせてください。

あの場面は原作から台詞が変更になっているシーンでもあるのですが、それによって私自身はとても救われた思いです。
ありのままの格好悪い姿をアルミンにだけ見せてくれた事、エレンにありがとうと伝えられた事、地獄で再会しようと約束出来た事。
全てが嬉しかったです。

改めてアルミンという人間の魅力、また井上さんから見て共感できる部分があったら教えてください。

どんなに否定されようとも、自分の信じる人、信じる正義が揺らぐ事なく突き進めるとてつもない強さを持った人だと思っています。
最後まで言葉を持って話し合おうという姿は知性を持って生まれた人類として最もあるべき姿であの世界で必要な存在だったのだと思います。
だからこそ、ある意味力を持たない彼が団長に任命されたのかもしれないですね。

エピローグのラストでは再び世界が戦火に包まれるような一幕も登場します。井上さん自身は作品のラストをどのように捉えていますか?

人間が生きている限り、争いは尽きません。
産まれた場所、文化、環境が違えば必ず衝突は起きる。
それでも決して諦める事なく、語り合い語り合い語り尽くしたら、その先には何かを変える希望の芽は生まれるかもしれません。
大切なのは諦めず、戦い続ける事。
そんな風に考えています。

下野紘(コニー・スプリンガー役)

ここまで長く『進撃の巨人』というコンテンツが愛されている理由はどのような部分にあると思いますか?

世界観やストーリーの意外性、キャラクターやその関係性、シリアスとコミカルのバランスなどの作品としての面白さはもちろんですが、そこにアニメの映像、音楽、声が加わり、より多くの人に共感していただけたことが、たくさんの人に愛された理由かとボクは思っています!

下野さんは“コニーが死ぬ”という確信を持っていたと語られています。強い精神力で何度も窮地を切り抜けてきた彼の活躍シーンのなかで、とくに印象に残っている場面がありましたら教えてください。

”コニーが死ぬ“というよりかは、“コニーは重要キャラではない”と思っていたので、最後まで生き抜けたことに僕自身も驚きましたし、作品の中でもいろんな活躍をしてくれたので、どこのシーンっていうのは選びづらいんですが…コニーがファルコを母親に食わせようとするシーンです。兵士としては強くなったかもしれませんが、精神的な弱さがあの出来事を引き起こしたんだと思うんです。あのときのアルミンとのやり取りがあったからこそ、精神的にも成長し、その後の活躍にも繋がったんじゃないでしょうか。

母親も含めた故郷の人々が巨人化するなど、悲劇を抱えながらもコニーはムードメーカーとして活躍していた印象があります。彼の人となり、そしてその魅力について、下野さんはどのように捉えられていますか?

登場した当初は、本当に『おバカ』だなという印象でした。自分を天才だって言ったり、サシャとふざけ合ったり、ダメなところが目立つというか…。ただ、昔から仲間思いなところはあって、逃げるにしても、自分一人で逃げるのではなくみんなで逃げたり、ファルコの一件も、最終的にアルミンのことを助けたり、お調子者でバカかもしれないけど、仲間思い、家族思いなところが、コニーの良いところだと思います。

訓練兵時代からの同期たちとのコミカルなやりとりも、作品を通してコニーの魅力のひとつとなっていました。印象に残っている会話シーンがありましたら教えてください。

上記でも述べましたが、コニーはサシャとともにふざけ合ったり、「こいつ、大丈夫かな?」と心配になるぐらいの発言も多かったと思います。中でも、「エレンの家がぁぁぁ〜!!」は、ホントに突然どうした?と思いましたね…。原作にあるセリフなので、諫山先生なりの何かしらの意図があったのかもしれませんが、アニメで演じる際どう演じようか、ホントに悩んだ記憶があります。ちなみに僕としては、あまりの恐怖にコニーの頭が考えることを拒否した結果、思わず出てしまった一言なんじゃないか?という解釈で演じさせていただきました。

谷山紀章(ジャン・キルシュタイン役)

ジャンはコニーらと並んで人間味のある姿が視聴者の共感を呼んでいます。改めて谷山さんから見て、ジャンに強く共感できる部分がありましたら教えてください。

好きな女の子に好かれないところ。
そしてその子には想い人がいるというところ。
ジャン、わかるよ。

ジャンはエレンとは顔を合わせるたびにぶつかるいっぽうで、根底にある信頼関係は決して浅くないということが物語の随所からも感じ取れました。ふたりの関係性についての印象はいかがでしたか?

ライバル関係なのだろうとは思います。ジャンにとってエレンという存在が色んな意味において成長させてくれたのだと。妬み、競い、勝ち、負け、認め、いつしか自分の一部にまでなっているような気がします。

谷山さん自身には、ジャンとエレンのように表面には見えないような信頼関係で結ばれているライバルはいますか?

いや~いないですね。いつも負けっぱなしですが、たまに自分に勝てればいいんじゃないですかね(キリッ)

ジャンは人殺しをためらうような弱さもありつつ、戦場ではリーダーとしての資質を開花させていきます。兵士としての彼の活躍が印象に残っているシーンはありますか?

「あの時はどうも」
かつて自分のせいで一度は捕えたライナーを車力に奪われるという失敗を経験しているので、以来の数年間で馳せたであろう色々な思いがこのセリフに乗っかっているなと、印象に残っています。

神谷浩史(リヴァイ・アッカーマン役)

劇場版の再上映が決まるなど、『進撃の巨人』は世界的に支持され続けている作品です。アニメ最終回のアフレコからしばらく時間が経ったかと思いますが、作品の見え方が変化した部分はありますか?

作品に関わり続けてきた者としてリアルタイムの感覚を大切に覚えているので僕自身、見え方や感じ方の変化は今のところありません。ただこれから更に年月を重ねたときに、その時代時代で新たに作品に触れくれる人とリアルタイム世代の感じ方にギャップが生まれてくる可能性はあります。その感覚の違いを感じられるようになるまで見守り続けていけたらと思っています。

リヴァイは満身創痍な状態になりながらも天と地の戦いを最後まで戦い抜きました。彼の活躍で印象に残っている場面がありましたら教えてください。

正直に言うとリヴァイが最後まで生き抜くとは思っていませんでした。なので戦いが終わってラストの捧げた心臓の行方を報告するシーンは印象深いです。
切り口は変わりますがアクション作画の今井さんの手がけたシーンはこの作品を象徴するもので、アフレコしていてとても楽しかったのを覚えています。

リヴァイはこれまで戦友たちとも多くの別れを繰り返してきましたが、とくに印象深いシーンはありますか?

彼と共に戦ってきたエルヴィンやハンジの最後は印象に残っています。

『進撃の巨人』は単なるハッピーエンドで終わらない、余韻のあるエンディングを迎えました。物語の結末をどのように捉えていらっしゃいますか?

人間の欲望は尽きることなく、そのタガが外れたとき最も愚かな争いと言う方法を選んでしまう。そのトリガーは欲望そのものであったり怒りや恐怖であったりするのかもしれません。

花江夏樹(ファルコ・グライス役)

ファルコはマーレ編より登場し、劇場版のクライマックスでも大きな見せ場を作ったキャラクターです。彼の活躍についての花江さんの印象をお聞かせください。

物語がどんどん過酷になっていく中で、希望や優しさを象徴する存在だったと思います。
マーレ編から登場して、最終的には重要な役割を担いました。
決して派手なヒーロータイプではないけれど、彼の選択や行動が状況を大きく動かしていく。その積み重ねが、最後の大きな見せ場につながったのではないでしょうか。

ガビに対するまっすぐな想いをぶつけたり、パラディ島勢力に対して理解を示したり、ファルコは柔軟で愛情深い好青年です。とくに魅力だと感じる部分がありましたら教えてください。

相手を理解しようとする姿勢は見習いたいです。
ガビへの想いはとてもまっすぐですし、それと同時に、敵とされてきた人たちに対しても感情ではなくしっかりと向き合おうとする。マーレ側の人間でありながら、視野がとても広くて、愛情深いと思います。
過酷な世界の中でああいう柔軟さを失わないのは本当に強いことだなと感じました。

ファルコは周りに振り回されながらもその人柄でガビを支えるなど、バランサーとしても活躍してきました。彼に共感できる部分はありますか?

ファルコは常に誰かの間に立って、空気を和らげたり、支えたりしているんですよね。
周りが少しでも良くなる選択をするという姿勢は、声優という仕事をしていても共感する部分があります。
現場でも、全体の流れを感じながらお芝居を組み立てることが多いので共感しました。

アニメの収録からは少し時間が経ったかと思います。改めてアフレコをふり返って印象に残っている出来事などがありましたら教えてください。

ここは戦場で、いつ死んでもおかしくない状況だという緊迫感を常に意識していました、なので現場にいるだけでかなり疲労しましたね。
ガビと向き合うシーンでは、強く言いたい気持ちと傷つけたくない気持ちが同時にあって、そのバランスを探っていく作業が印象に残っています。

時間が経った今でも鮮明に覚えています、心に残る役で演じられて良かったです。

佐倉綾音(ガビ・ブラウン役)

劇場版の再上映が決まるなど、『進撃の巨人』は世界的に支持され続けている作品です。どのような部分がファンの皆さんから愛されていると感じますか?

「自分のこととして考えざるを得ない物語」だからなのかな、と思います。
登場人物たちが置かれている状況は極端で残酷ですが、選択そのものはとても人間的で、誰もがどこかで「もし自分だったら」と考えてしまう。その問いを最後まで観る側に投げ続けてくる作品でした。
正義や悪を一言で片づけないところも、長く愛されている理由だと思います。観る年齢や、生まれた場所、その人が生きてきた時間によって受け取る感情が変わっていく。そうやって何度でも向き合える余白があることが世界中で支持され続けている理由なのではと感じています。

過去のインタビューで、佐倉さんはガビとカヤの立場を比較してどちらかといえばカヤのほうが感情移入できるというようにおっしゃっていました。今ガビの立ち位置やこれまでの歩みをふり返ってみて、見え方が変化してきた部分はありますか?

ガビは自分で世界を選んだようでいて、実はほとんど選択肢がなかった。
その中で「正しくあろう」と必死になった結果、たくさんのものを壊してしまったし、自分自身も壊れていった。
でも間違いを知ったあとに、それでも生き続けることを選んだことを、今はすごく重く、尊くとらえています。
見え方は少しずつですが確実に変わりました。許す・許せないの前に「理解しようとすること」の大切さをガビは教えてくれた気がします。

天と地の戦いを生き延び、ガビやファルコは穏やかに見える日常へと戻っていきます。物語の結末についてはどのような印象ですか?

これが人間のすべてなのだと感じました。
すべてが救われるわけでも、すべてが報われるわけでもない。人間が愚かな選択をしようと、正しい未来へ進もうと関係なく、それでも世界は続いていくという終わり方がこの作品らしいなと。
ただ、それでも生きていくという選択がある。
そのこと自体がこの物語の答えの一つなのかなと感じました。
観終わったあとにすぐに気持ちを整理できる作品ではなく、いまを生きる私たちが人生を進むうちに、意味が滲み出てくる。そんなラストだと思います。

最後に「進撃の巨人」を愛するファンの皆さんにメッセージをお願いします

長い時間この作品と一緒に歩んでくださり、本当にありがとうございます。
『進撃の巨人』は、観る人にとって楽な作品ではなかったと思います。それでも最後まで向き合ってくださった皆さんがいたからこそ、この作品はここまで大きく、強くなったのだと思っています。
いつの日も、ぜひ「今の自分」でもう一度観てみていただきたいです。きっと以前とは違う感情に出会えるはず。
これからもそれぞれの場所、それぞれの人生の中で、この作品が残り続けてくれたらと願います。